哺乳類の脊椎(頸椎・胸椎・腰椎)の各骨の特徴
ここでは、子供のイノシシの脊椎を用いる。
山中で骨を見つけた場合、脊椎の骨であることは多くの人がすぐ理解できる。しかし、それが首の骨(頸椎)であるのか、胸の骨(胸椎)か、あるいは腰の骨(腰椎)かなかなかすぐ判断できない人が多い。
ここでは、小学生以上の骨を知りたいと思う人なら誰でも、頸椎、胸椎、腰椎の違いが分かるようにした。そのため、できるだけ骨の部分の名称を少なくした。
ここで述べた、脊椎の特徴はほぼ全ての哺乳類に応用できるので、是非、拾った骨で確かめてみて!
(なお、この骨格は頭蓋骨とともに2009年10月24日に丹沢サル観察し隊の皆さんと一緒に東丹沢にある清川村の唐沢林道沿いを歩いている時に見つけ、採集したものである。)
頸椎の特徴
頸椎はヒトも含めて7個が普通である。例外としてアリクイ:8個、ミユビナマケモノ:8-9個、フタユビナマケモノ:6個
首が長い動物の頸椎は一つ一つが前後に長い。猪首のイノシシは有蹄類は前後に短い。
上:後ろから見た場合 下:前から見た場合 いずれも上は背側で下は腹側
頸椎にだけ横突孔(椎骨動脈と静脈が走る)がある。
胸椎の特徴
胸椎は12個から16個が普通だ。ヒトやウサギは12個で、カモシカやシカ、イヌは13個、フタユビナマケモノは24個、イノシシは14~17個
上:後ろから: 下:前から いずれも上は背側で下は腹側
胸椎にだけ肋骨が着く(△と〇)の窩がある。
椎体の左右の端には前後に前肋骨窩と後肋骨窩〇があり、左右の横突起の端は△の横突起肋骨窩がある。
胸椎と肋骨の関係
後ろから見た写真だ。上は背側、下は腹側だ。
腰椎の特徴
上:後ろから 下:前から 上は背側で下は腹側だ。
腰椎の特徴は横突起が大きく張り出ていて顕著なことだ。
以上、もう一度確認するが、頸椎は横突孔があること、胸椎は肋骨が着く肋骨窩が前後左右にあること、腰椎は横突起があることだ。
では、下の椎骨は首、胸、腰のどこの骨か?
〇や△の肋骨窩が読み取れたかな?
そう胸椎だ!
同じものをHPの骨のコーナーにアップしました。
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