2011年11月28日月曜日

イノシシの鋭い上下の牙(犬歯)

11月23日にイノシシの頭骨をアップすると、take隊員からイノシシが笹の根を切るのはどの歯なのだろうか?とコメントがあった。ぼくは犬歯だ!と答えたが、その根拠をイノシシの犬歯の写真とともにアップする。
まず、上から見た犬歯を見ていただきたい。
上下の犬歯を互いにいつも擦り合わせているようだ。
見てのとおり、まるで擦り合わせることで互いに磨きをかけているとも云える。

ハサミは互いに擦り合うが、研がなければ切れ味が悪くなる。
イノシシの犬歯はハサミのように擦り合わせることにより、上顎の犬歯が下顎の犬歯を下顎の犬歯が上顎の犬歯を互いに砥石替わりになって互いに研ぎ合っている。 

これで、ササの根などは楽にブチと切ることができるだろう。
下顎は前後左右に動くので、イノシシは簡単に噛み切っているだろう。 

イノシシでは犬歯同士だけが擦り合うが、犬歯を持つサルやキツネでは異なる。
それにしても、イノシシの歯は切歯も臼歯も前臼歯も立派で頑丈なものだが、犬歯だけが無根である。イノシシの犬歯はネズミの切歯と同じように減っても減っても伸び続けるのだ。バビルサが種分化したのも理解できる。

4 件のコメント:

  1. なるほど、ナイフのごとき切れ味をもってそうな噛み合わせですね。
    これなら笹の根ぐらいわけなく切れそう。

    ただ、切歯のシャベルで掘っているときに引っかかった細い笹の根は犬歯を使うまでもないかもしれませんね。
    切歯の編み合わせもみてみたい。

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  2. take隊員へ

     まず、エノキの種子の写真ありがとう。やまぼうしさんのところで見ました。

     近い内に、イノシシの頑丈な上下の切歯の噛み合わせを見てもらいます。イノシシの切歯は切歯という言葉よりも前歯という言葉が合ってます。
     ヒトやリスのような切歯と異なります。
     これは、ちゃんと写真に撮ったのを見てもらいますね。

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  3. 先の不明種子について、こちらもああだこうだと検討していましたが、最後の写真、やはり、左の小さいほうはエノキ、右の大きめのものはエゾエノキ? かなと思っています。
    糞からでた種子の同定、じつにむずかしいです。

    それにしてもこんな大きいイノシシの犬歯が無根とは・・。
    それだけで驚きました。

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  4. k-ta隊員へ

    うん、エノキとエゾエノキ!
    ありがとうございます。

    ぼくも丹沢の山に今の時季に生っている実から判断していくと、知らない木の実は無い筈と思い。
    大きいのはエゾエノキかな?小さいのはエノキ??と思っています。
    しかし、手元に実際の種子標本がないので確実に同定できません。

    肉食動物たちは果実を食べても種皮の表面まで綺麗に消化することがないため、どうしても水洗いして綺麗にすることになります。
    しかし、あの黒っぽさは果皮の色がついたものだとは思うのですが、今一つ不明。

    いずれにしても、種子標本を手元に取り揃えなければいけません。

    それと、やはり植物の科や属によって種皮の模様や形が似てくるのが非常に興味深いですネ。

    ヒトの歯も無根の歯があると良いのにと思います。

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