2010年4月15日木曜日

ヌートリアの切歯の色

岡山県にいた教え子から送ってもらったヌートリアの頭骨を眺めていた。
ん?どこか違う。以前見ていたものと違うと思った。
このヌートリアは岡山県高の農作物を荒らすため、農家の人が捕まえて叩き殺したものを教え子のM.Tさんが送ってくれたものだ。
解体して除肉して、水に浸け腐らして晒骨した。激しく何度も叩かれようで、頭骨は割れていたが、どうにか三次元のジグソーパズルをしあげた。
完成してからじっくり眺めた時の印象と現在のもの(上の写真)が違う。
確か、完成した時に写真を撮ったので、頭骨・齧歯目のフォルダー内を調べた。あった!
え?と思う。切歯の色が真っ黒だ!
切歯の表面が真っ黒だったのだ。そのためどこか違うと感じたのだ。
ぼくの持っている本には、齧歯類やトガリネズミ類の分類で、切歯の表面が赤褐色に染まるという記載があるが、晒骨してしばらく経った後の状態の色なのだろう。

おもしろいのは上の切歯は当初から黒さが薄れている。
現在は上下とも全く黒く染まっていない。
  
切歯の表面が赤褐色に染まっているのは死後、晒骨してからの状態なのだろうか?
生きているときは赤褐色ではなく、黒いのだろうか?
ヌートリアの口を空けて確かめたみたいものだ。
他の齧歯類やトガリネズミ類ではどうなのだろう?

2 件のコメント:

  1. 不思議ですね〜。
    現在もものが赤褐色の方なのですよね?

    リスのしっぽさんのブログからも、リスの切歯が赤茶色いのがよく分かりますが、これは渋みの多いものを食べているからではないかと考えてました。

    http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q34.html

    にあるように色を黒くする作用はタンニンにはあるようですが、化学はよくわかりません。

    でもヌートリアは最初から黒い?

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  2. いやー、本当に不思議です。

    紹介されたキリヤ化学のサイトを覗いてみました。

    タンニンは黒く染色するようですが、切歯の正面の部分だけでなく、側面や裏面もさらには臼歯の回りも黒くなりそうですが、、、、。

    臼歯と臼歯の間の黒いのはタンニンで染まったのだと思えます。それは、草木をたべるウサギやサルやシカの歯もそうなるからです。

    今、房総半島で拾ったノウサギの切歯をみてびっくり。切歯の咬面を除いて骨からでている部分の表面が黒ずんでいる。

    アップします。

    ヌートリアの切歯もタンニンで黒く染まったのではないでしょうか?
    しかし、どうして側面や裏面は黒くならないの?

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