先日の10月24日に行った「秋の丹沢サル調査件観察会」の時に鍋嵐手前の尾根で見つけたクマの爪跡と報告したものです。クリックすると拡大!
先日13日(金)に神奈川県立宮ヶ瀬ビジターセンターに寄った時に、
学芸員のSakai様より、これは「シカの角砥ぎ」の跡であって、クマの爪跡ではないと指摘されました。
気になり、シカー角砥ぎ(deer- fraying)とクマー爪跡(bear-claw marks)で検索しました。
bear claw marksでヒットしました。是非、GoogleのImageでやってみて!
bear claw marksでヒットしました。是非、GoogleのImageでやってみて!
結論:上記の写真の跡は「クマの爪跡ではない」ことがわかりました。
シカによる角砥ぎということのようです。
実際に観察していていないで、推定だけで話していた訳で、大変申し訳ありません。
また、宮ヶ瀬ビジターセンターのSakai様にあらためてお礼申しあげます。
これからも気がついたことがあればご指摘お願いします。
野生動物に関しては実際にその行動を観察していないのに、「ぼく」のように思い込みと想像だけで「ものを語る」人たちが多い。
サルによるクルミの堅果食いもそうだが、たった一度の観察で事実が明らかにされる。
もっともっと野山を歩かなければダメだ。
フィールドで野生動物の観察をすることは一見地味のようですが、本当に根気と体力と知識とそして野生動物を感じる感性と、いろいろなものが要求されるすごいことなのだなあと思います。あいにく私はほとんどどれも持ち合わせていないので先生の記事を興味深く拝見しているだけですが、動物を飼育する上でも、野生の状態でどうなのかということを知る必要をすごく感じます。フィールドワークの積み重ねの中から実にいろいろなことがわかっていくのが面白いですね。
返信削除フィールドでの観察と、飼育動物の観察、動物の生理や形態も野外観察においては大事なことです。
返信削除雲山さんの飼育されているカニクイザルやネコの記事はときどき「へ~!」と驚かされます。
野生のネコ科動物はライオンくらいが社会集団を形成して生活しているのに、何故、飼いネコがあのような社会集団を形成できるのか、非常に不思議に考えております。
一匹一匹のネコたちを結びつけるものは何だろうか?と考えていますがやはり身近にネコがいないのがダメですね。
飼育している動物は、毎日いつでも観察でき、日常を目の当たりにできるのがいいところです。でも野生との違いを知るとこちらも驚きます。なるほどー、の連続です。
返信削除うちの猫は飼育下といっても餌をやることと最低限の治療(皮膚などの外的治療と、抗生物質投与のみ)なのであまり人間の手が入っていないと思います。行動は彼らの意思に任せており、避妊去勢もしていません。なので日本の一般家屋で飼われているのとはだいぶ環境が違うと思います。3~7000㎡くらいをテリトリーとし(オスはもっと広い)飼育下では3000㎡につき5~10匹が限界のようです。ネコ同士の相性が影響して1グループごと他の地域へ移住してしまうこともあります。
ライオン以外のネコ科の動物は単独行動なのですか?不思議ですね。そう言えばライオンのことも余りよく知りません。テレビなどでライオンを見るとネコそっくりの動きだなあと思いますが・・・
カイネコがそんなにも広い行動域をもっているのですか?
返信削除どうしてそんなに広い行動域が必要なんでしょう。
野生動物たちの行動域やナワバリは、その中に自分(あるいは自分が所属する集団)が生活するのに十分なさまざまな資源あります。
カイネコは飼い主から餌という食物資源を得ることができるわけですから、広い行動域内は彼らにとってどのような必要とする資源があるんでしょうね。
餌をあげていても、ねずみやトカゲ、鳥なども捕って食べています。彼らにとっては加熱された餌よりも自分で捕った生の餌のほうがおいしいようです。なので何日も出て行ったきりになっても餓死することはありませんし、人間からもらう餌に完全に依存はしていないようです。広いテリトリーをうろうろしながらの目的は、捕食と、盛りのときは異性探し、オスの場合は他のオスが入ってこないか見回り、と言う感じで、あとは相性の悪いネコが同居しているときは距離を置くために別な場所に離れて行きます。
返信削除ネコは、行動域の広さは飼われている環境によって大きくも小さくもなり、行動パターンも変わる順応性のある動物なのではないかと思っています。その順応性が、人間と共存できる代表的なペットになり得る条件なのかもしれません。
一匹で飼われているか多頭飼いか、街中か田舎か、去勢をしているかいないか、飼い主との関係がどうか、などいろいろな条件で猫の行動がぜんぜん違うものになってくると思います。
雲山さんへ
返信削除と言うことは、飼育している(と思っている)人の家は、猫にとって休息場、隠れ家、餌場、出産・育児をする繁殖の場でもあるということですね。
まるで柴又の寅さんですね。好きなときに戻ってきて、食べて寝て、また出ていく。これが猫ではオスもメスもやるわけだから、ちょっと想像を絶する。
顔見知りでない個体と出会うことも数知れなくあるのだろうだろう。しかも、何日も戻って来ないなんていうことは、他の場所でも受け入れられている訳ですね。
これでは、ほとんどヒトです。サルを含む野生動物ではありえないことです。
あははは、まさに寅さんですね。ネコは鎖につないだり檻に入れなくても飼える自由な動物なので、心が痛まず楽しく共存できるので好きです。
返信削除野生動物にはありえないと言うのは驚きです。自分の意思で居場所を見つけて気ままに暮らす、まさに人のような感じかもしれませんね。
雲山さんへ
返信削除飼い猫の社会生態について、ぼくはほとんど何も知らないということが判りました。
ヒトだけが知らない場所に行ってもそこで、見知らぬヒトたちから歓迎されたりするのですが、ニホンザルもチンパンジーも、見知らぬ土地で見知らぬ集団と出会った場合は、多くの場合、受け入れてもらうのは並大抵のことではありません。
それは、他の哺乳類でも同じです。しばしば市街地にクマやシカが出てきて問題になりますが、クマでは両性の子供が母親から離れて一人立ちするために自分の行動域を確保しようと動きまわっていて、森の中は強いオスたちによって良い場所を占められているため、仕方なく市街地に出てくることになります。シカではオスの子が母親のもとから離れていきますが、やはり広い行動域を占めることができなく市街地に出てきたり、湖や海を泳ぐものたちも出てきます。
動物たちの社会では異性は受け入れるが、同性は追い出します。
しかし、飼い猫ではそれが違っている。まるで、人間ですね。
ジャワでの動物や植物の話題、いつも楽しんで見ております。