2009年8月16日日曜日

森の中の寒川神社

昨年に引き続いて2度目の相模薪能である。
寒川神社の境内は10メートルもありそうなカシの仲間の常緑樹が鬱蒼と茂り、ヒンヤリしている。
セミが小雨が降るごとく鳴き続け、アゲハチョウが飛び、小鳥も飛び回る。
これだけの人々の騒々しさや熱気も境内の緑の木々に吸い込まれる。
薪能の舞台が正面であり、左右から木々が覆いかぶさる。
最初に、出演者の野村萬斎さん等へのインタビューがある。
何故か、撮影禁止だ。
出し物は「鶴亀」と「土蜘蛛」などであった。
テレビで観る能舞台の声もそうだが、日本語なのに言葉がつかめない。
わからない。
インタビューで野村萬斎さんは、
「海外の音楽でも言葉がわからないのに熱狂できる。ビートルズの歌詞は聞き取れないが好きだ!というように、能の言葉がわからなくてもその音楽性を好きになってもらいたい。」と話していた。
以前、ウィーンの劇場でオペラを観た。出し物はトスカであった。
言葉はもちろんわからないが、言葉とジェスチャーからほとばしる演技者の感情が伝わってくるので、そのストリーが分かる。
が、能はその余りにも静的な動きの中に演技者の感情が伝わってこない。 もう、ぼくは日本人ではなくなってしまったのかなと思ってしまう。それともぼくの音楽性が欠如しているからだろうか?
能の話し言葉を多くの人々が理解しやすいようにできないものなのだろうか。

2 件のコメント:

  1. わたしは歌は歌詞から頭にはいってきます。どうもメロディはあとからで、音感が悪いんだなあとつくづく思います。

    ビートルズなどはあまりにも有名なものですが、どうもすぐにはピンとこなくて(歌詞がわからない)流行ってきてからウンそうかーてな具合です。

    曲だけのものはよく耳を傾けます。でも頭に入らないことも多いです。

    オペラはほとんど字幕つきなのでこれはとてもありがたいですが、おっしゃるとおり字幕がなくとも演技者の表現力と音楽でストーリーくらいはわかりますね。

    能は見たことありませんが、言葉はわかりたいものですね。それともそれはさておき演技者の所作や楽器の音、雰囲気を見るものなのでしょうか。

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  2. k-taさんへ

    コメントありがとう!

    能は能楽というくらいだから音楽劇なのでしょう。それで、日本古来の笛や太鼓?のようなもののオーケストラが後ろや横に控えておりますね。

    ということは、言葉を理解しようとするような鑑賞の仕方は間違っているのかな?
    全体の雰囲気を味わうものかもしれません。

    となると外国語のオペラより理解しがたいものですね。

    実は、今年こそ理解したい!と思って出かけたのです。音感が悪いからリズムに乗れないのかもしれません。

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