上から年少児(3歳)、年中児(4、5歳)、年長児(5、6歳)の描いたゾウの絵である。
子供が成長に応じて見えている世界があるのだが、ゾウでは、大きな身体と長い鼻と大きな耳が共通して認識されているようだ。
しかし、ゾウには長い牙がある。これを描いた子は一人もいない。
アフリカゾウは両性とも長い牙をもつが、日本の動物園で飼育されているのは大抵がアジアゾウであり、アジアゾウはオスは長い牙をもつが、メスのは短い。
一人くらい、牙を描いて欲しかったのだが、動物で飼育されているアジアゾウも長い牙は危険ということだろうか?短くカットされている。
また、童謡の「♪ぞうーさん、お鼻が長いのねぇー♪」という歌詞も長く大きな牙については触れられていない。確か、タイやビルマの子供が描いた絵ではゾウが森などで働いている姿には牙がしっかり描かれているように思うが、どうだろうか?
さらに、年中児や年長児になると、ゾウの口を赤く塗っている。
これは、事実はそうでないのに、年中児になるにしたがって母親の唇の色がインプットされて、ゾウの口まで赤いと思っている。
ヒトは、周囲から教育されて様々なことを認識していくようになるのだが、純粋な子供の目からゾウを見るというだけでもウソがはいってくる。ましてや私たち大人は偏見の塊のような見方しかできていないかも知れない。経済学者や政治家が話していることの真価を判断するのは、何らかのしっかりした基準を持ち合わせない限り難しいことになる。
子供の成長過程の絵から、ものの見方、知識の成り立ちまでとらえるのは面白い視点ですね。
返信削除政治家や評論家の専門的な話を聞くとき、それぞれもっともな意見だな〜と思えることがありますが、そんなときは顔をじっと見ます。
元になる知識が正確でないと、その後のすべてが狂うし、ダメですね。
ともかく観察と検証でしょう。
観察と検証って、言うは易しですね。
返信削除現実に見えている、聞こえているのにそれが見えない聞こえないという状況が生まれます。
実際は地球が太陽の周りを回っている(地動説)のに、太陽が地球の周りを回っていると考えた天動説のように、観察を検証することは難しいことですね。
パラダイムが変わることにより、新たな事が見えてくるということですね。